衛星通信を駆使し、想定外の災害にも機動力ある対応を。

POWER PEOPLE

水力発電部 東日本支店 情報通信グループ(埼玉県川越市)

東日本支店情報通信グループでは新たな大容量・低遅延の衛星通信システムの導入訓練が行われていた。上空が開けている場所ならどこからでも利用できる衛星インターネットアクセスサービス「Starlink」 を、J-POWERが全国各地に保有する水力発電所などに順次導入。山間部など通信環境が脆弱な地点とのネットワーク回線を増強して、保守高度化とDX推進につなげる狙いだ。

Starlinkの持ち味は機動性の高さで、小型・軽量のアンテナ機材を現地に持ち込むだけで衛星ブロードバンドの臨時回線を開設できること。

「東日本支店情報通信グループの管轄するエリアは9都県に及びます。主要な各地点を結ぶ通信網は安定運用のために、マイクロ波無線回線と光ファイバー通信回線で2ルート化してあり、このStarlinkにはそれらを賄えない地点での期待が大きいのです」

入社10年目の住吉健人さん(写真右)が澱みなくそう話すと、入社2年目の緒方海都さん(写真左) がフォロー。

「新システムは、未曾有の風水害や震災などによって既存の通信回線が断たれた時にも活躍するだろうと考えています。いち早く現場へ駆けつけて現況を社内に伝え、復旧作業を迅速化する上で大いに貢献するはずです」

二人に今後の業務への意気込みを聞いた。

「通信障害が生じた際に速やかに原因を特定し復旧させるスキルを高めたい」(住吉さん)

「しっかり先輩に習い、電力の安定供給に貢献したい」(緒方さん)

※ KDDI 株式会社の法人・自治体向けサービス「Starlink Business」が提供。運営主体は米国のSpaceX社。

取材・文/内田 孝 写真/斎藤 泉

Starlinkに用いられる平面アンテナ。上空の低軌道周回衛星の中から最も感度良好な衛星を見つけ出す。
Starlinkを介して送受信される情報はインターネット経由でスマホやパソコンで閲覧・操作が可能。
東日本支店の通信鉄塔に設置されたアンテナは、管内各地のマイクロ波無線中継局と向き合っている。
山間部にある無線中継局の様子をリアルタイムで遠隔監視する。
少数精鋭で広範なエリアをカバーするにはグループ内の情報共有が欠かせない。

PROFILE

J-POWER水力発電部
東日本支店 情報通信グループ
住吉 健人
緒方 海都