大学生向け 火力編@磯子ツアー レポート

エコ×エネ体験ツアー 火力編@磯子学生ツアー 2021年ツアーレポート

3日目 9:40

講義「近未来シミュレーションと解説、SDGs時代の課題」

最終日。ニックネーム「キャップ」ことJ-POWER藤木勇光氏から、総まとめとして「地球環境問題の行方と将来の日本のエネルギー選択を自分事として考える」をテーマにしたレクチャーと、30年後のエネルギー需給シミュレーションの講義が行われました。学生は需給条件を自分なりに想定し、Web上でシミュレーションを実施。その後、「より良い未来を作るために」をテーマに、行動化に結びつけるために何をすればよいかを4グループに分かれてディスカッション、最後のプレゼンテーションの準備に向かいました。

3日間の合宿をしめくくる最後の講義はキャップ(藤木)から。

30年後の社会、どう変えていくか?自分事として考えます。

さあ、最後のプレゼンテーションに向けて準備開始!

3日目 10:40

グループセッション「自分と社会の課題を見つけよう」

最終プレゼンの準備をする各グループのブレイクアウトルームを覗くと、時には昼食を頬張りながら、楽しく快活に議論が進んでいました。

3日目 13:50

最終プレゼンテーション

そしていよいよ最後のプレゼン。どのグループのプレゼンも見事でした!エネルギーや環境に関心のない人への認知を広げることを起点にしたグループは、「エネルギー大臣になろう!」などのゲームを活用した具体的なイベント企画をまとめあげ、実際の活動につながることを期待させてくれました。また「知る→考える→発信する」という行動に結びつけるモデルを提示したグループは、説得力のあるスライドを短時間でしっかりと仕上げていました。

考えるだけでなく自ら情報発信する大切さを盛り込んだモデルを発表。

最後に寸劇を披露したグループは、準備段階からユーモアとパワーに溢れ、見ているこちらが吹き出すほど。短時間の稽古時間にもかかわらず、「都会と地方」「環境問題」「オンラインを使うメリット」「異なる意見との向き合い方」などもわかりやすく触れながら参加者とスタッフ全員の笑顔を引き出しました。

最後のプレゼンで参加者全員が笑顔になる寸劇を披露したチーム。
3日目15:00

わたしたちの船出

プログラムの最後は「わたしたちの船出」。自分なりのできることを考えて、どう行動に結びつけるかをひとりひとりが発表しました。

最後「わたしたちの船出」では、ひとりひとりが行動することを宣言
できることをひとつずつ、自分らしく、進めチェンジメーカーたち!

スタッフからの温かいメッセージとともにプログラムは熱気を帯びたまま終了しました。17人の学生たちの55時間の学び合いの時間。3日間のオンラインイベントはとにかく楽しく、全国各地から学生たちが集い、正解のない課題を考究し、刺激し合う学生たちに非常に頼もしさを感じました。中にはコロナ禍の影響で約1年休学していて、悩んだ結果参加したという学生も。初日は分野の異なるエネルギーの話に難しさもあったようすでしたが、学生同士やスタッフと交流しながら、不安が学び合う楽しさに変わり、3日目の最後には皆が生き生きとしていました。

しげ(多比良)から学生たちへ贈るメッセージ「体験 協働 学び合い 楽しむこと」
3日間ファシリテーターを務めたゆかりんと、ずっと見守っていたでんき犬

  • どんなお子さんだったの?
  • 後に続く中高生へのメッセージは?
  • これからの展望は?

しゃんてぃえん
@都市工学科

「原体験からアクションすることで深い学びへ」しゃんてぃえん@都市工学科

小学校のころは身の回りに自然がたくさんありました。高校生になって、地元のダムを管理する人たちと会い「治水」という大きな役割を知りました。今、防災を勉強しているのも、それがきっかけのひとつです。これまで複数回J-POWERのイベントに参加してきましたが、毎回分野が違っても「社会を良くしたい」という思いをもった人が集まります。アプローチは違っても、さまざまな取り組み方があり、人と話したり自分で考えたりして良い方向に向かえば新しい発見があると感じます。大学では都市全般、特に防災計画を考えていますが、都市はエネルギーやエコと無縁ではなく景観の話も大事にしないといけません。将来も防災関連に進みたいと思う一方、防災だけではなく、ライフワークとして地域を良くすることに関わっていけたらと考えています。実は、受験勉強の時もたまに抜け出して好きなダムに遊びに行っていました。受験だけではなく将来に繋がることに一歩踏み出す。原体験から深く学べば、知識や関連したことも知ることができます。いろいろなところを見て、アクションを起こすことが大切だと思います。

こづ
@国際資源学科

「環境と地域活性化を結びつけて学んでいく」こづ@国際資源学科

虫取りや稲刈り後の田んぼで走り回って遊んだり、スキーに熱中したり、自然について身近に感じる機会が多い環境で育ちました。私の地元では人口が減少していて、小中高と先生たちが「将来、君たちは秋田に残ろう、秋田で仕事をしよう」と話していた影響もあり、進路も地元に目線が向いていきました。将来は、地域の人と対話できる技術者か研究者に進めればと考えています。2020年2月の火力編とエコ×エネカフェに参加し、J-POWERのイベント参加は今回3回目です。今回感じたのは、環境対策や政策の知識はあっても、実際にそれをみんなが満足する形でまとめるのは難しいということ、また温暖化の進行に対処するために、そのときの最善策で乗り越えていくということです。高校時代に地域活性化に関係する学科か環境系に進むかで進路にとても悩みました。そんなとき地理の授業で「秋田はこんなに自然エネルギーがあるのに全然発電所がないのはもったいないよね」と先生が言っていて、それがきっかけで地域活性化と環境を結び付けて考えるようになりました。今は国際資源学科でエネルギーについて学び、地域活性化はサークルに所属して実践しながら学んで、どちらも実現できています。

シマダ
@水環境・土木工学科

「持続可能な社会のまちづくりに向けて」シマダ@水環境・土木工学科

小学生のころ地元の農協などでさまざまな体験ができるプログラムに参加していました。芋掘りや地引網などの体験から身をもって自然とのかかわりや恵みを感じました。父に城跡に連れていってもらい、歴史の興味から得た日本各地の知識が今も生きています。大学では水環境土木工学科で、まちづくりの歴史や景観、道路交通計画を学んでいます。持続可能で人が住み良い世界にするために、まちづくりの観点や環境への興味から今回参加しましたが、やはりいろいろな人と話す機会をもつべきだと思いました。日々学んでいても、気付かないうちに考えが偏り、固まるときが無意識のうちにあります。でも人と話すことでそれが意識できる。将来は地元の田舎を良くしたいと思っていますが、エネルギーや環境の観点からはコンパクトシティ化した方が効率は良いように思います。残すべきものとコンパクトシティの関係性がまだ自分の中で消化しきれずにいます。バランスを考えてまちづくりを企画する仕事に就きたいです。

コロナ禍にあっても、こうした新たな仲間との出会いや支えが得られることは、オンラインによる学びの場の可能性を感じ、今後のエコ×エネ体験ツアーにもさらに期待が高まりました。学生たち各々がこれまでの経験を土台に、現在の不自由さすらバネに変え、ポジティブなアクションにつなげていこうとする気持ちのこもったメッセージに、スタッフたちも元気をいただきました。若きチェンジメーカーたちのみなぎるエネルギーが、日本の明るい未来を築いていくでしょう。

また会いましょう!
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