エコ×エネ オンラインワークショップ 教師編 2023年レポート
エコ×エネ体験プロジェクト 先生方のためのオンラインワークショップ
2023年 レポート 構成図

実施概要
先生方のためのオンラインワークショップ電力会社の中の人から聞くエネルギー事情 仕事と社員の想い
- 日程:2023年1月27日(金)19:00~21:00
- 対 象:小学校・中学校・高等学校の先生
- ツール:Zoom
主なコンテンツ:
- エネルギーの話【基礎編・中級編】
- 電力会社の中の人から聞く エネルギー事情・仕事と社員の想い
- 鬼首地熱発電所360°動画公開!
- さまざまな地方や校種の先生方とのセッション
エコ×エネ オンラインワークショップ 教師編には、平日の夜にも関わらず全国から20名の先生方にご参加いただきました。
今回は「電力会社の中の人」としてJーPOWER社員4名が先生方とのセッションを行いました。ブレイクアウトルームは、猪狩(原子力建設)、高山(水力保守)、中野(火力保守)、山本(送電線増強)がそれぞれ担当しました。
スケジュール:
- 19:00~ オープニング
- 19:10~ エネルギーの話(基礎編)
- 19:30~ 電力会社で働く社員の仕事と思い(参加者セッション①)
- 20:10~ エネルギーの話(中級編)
- 20:40~ 参加者セッション②・全体共有
- 20:55~ エンディング
- 21:00~ フリータイム(自由交流)
レポート
19:00主催者挨拶・オリエンテーション
最初にウォーミングアップとして全員参加のクイズを行いました。「東日本と西日本の電気のそれぞれの周波数は?」という問題でしたが、さすが先生方、皆さん正解をご存じなだけでなく、地域ごとの事情や情報交換がチャットで盛んに行われていました。
19:10エネルギーの話(基礎編)
まずはJ-POWER山本による、「エネルギーの話(基礎編)」からスタートです。
- 電気ってどこから、どうやって来るの?
- 電気がいつでも使えるとはどういうこと?
- 昨今の電力不足に対してできることは?
という3つの身近な観点から、データを交えてお話ししました。ロシアのウクライナ侵攻による、昨今の電力不足に関する話題では、先生方のリアクションも大きく、関心の高さが窺えました。

19:30電力会社で働く社員の仕事と思い(ブレイクアウトルーム)
電力の基本をおさらいしたところで、火力・水力・原子力・送電線の4つのブレイクアウトルームに分かれました。それぞれの現場を経験してきたJ-POWER社員が担当しました。
水力保守(担当:高山)の部屋では、ダムの建設時の環境問題や、老朽化の課題、カーボンニュートラル、マイクロ発電など、先生方の興味は多岐にわたりました。

送電線(担当:山本)の部屋では、安全管理についてや、送電線の保守に関する疑問、電力の東西連系の課題など、先生方からは核心に迫る質問も多数飛び交っていました。

4つのルームに分かれてのセッションの後は、全体共有として各ルームから代表者1名に発表していただきました。先生方は短い時間にも関わらず、明瞭にまとめてくださり、各ルームでの内容が他の先生方にも分かりやすく共有されていました。

20:10エネルギーの話(中級編)
続いて、「エネルギーの話(中級編)」はJ-POWER多比良が担当しました。今回は、2023年に起こったエネルギーの関連の事象から、皆さんの関心が高かった話題を中心にお話しました。
1つ目のトピックスは、「ウクライナ侵攻によるエネルギーの需給ひっ迫と価格高騰」です。G7各国のエネルギー自給率とロシアへの依存度や、小資源国である日本の特性や、円安の影響などについて、改めてグラフを見ながら確認しました。

2つ目は、昨年3月におきた東京・東北電力管内における電力需給のひっ迫の背景・要因を解説しました。太陽光発電の利用拡大や火力の休廃止といった構造上の問題もあるものの、「10年に一度」と言われるような厳しい天候の増加も要因の一つです。
そして、3つ目は気候変動問題に関する最近の動きと、2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みについて解説しました。
水素社会への具体的な取り組みや、CO2削減に向けて期待される新しい技術の紹介では、先生方が熱心にメモを取っている様子が見えました。

最後に、持続可能な社会の実現にはエネルギー・環境問題を、皆さんにも自分ごととして考えていただきたいとお願いをしました。
社会を変容させるためには国による法律や制度の変革と、私たち製造部門での技術革新、そして先生方の環境教育による意識変革が必要です。皆さんで力を合わせてよりよい未来を一緒に作っていきましょう。

20:40参加者セッション・エンディング
本日のまとめとして最後にもう一度ブレイクアウトルームでセッションを行いました。先生方の学びへ意欲は留まるところを知らず、有意義な学びの場になった様子でした。
最後に記念写真を撮影し、笑顔で終了となりました。終了後のフリータイムは希望者のみの参加でしたが、たくさんの先生が残って下さいました。先生からの多岐にわたる質問や関心にスタッフ一同、刺激を受ける時間となりました。ご参加いただいた先生方ありがとうございました。
森の中ではブナの木が曲がっています。豪雪地帯では雪の重さで幹が曲がってしまいます。

参加者の声(抜粋)
- 発電所で働く人の生の声がよかったです。生の声で話し合うことの大切さを感じました。
- 新たな技術がたくさん生まれていることを知り、未来に期待できました!子どもたちに教えていこうと思います。
- 今どのような目標に向かって取り組んでいるのか具体的に聞けて良かったです。太陽光パネルの形もいろいろと変化がありそうで、今後も関心をもって自分にできることに取り組み、環境対策に貢献していきたいと思いました。
- 電力を安全に届けるための取組がこんなにたくさんあることを、なんとなくわかっていたつもりでしたが、具体的なエピソードが聞けて、より分かったと感じています。心理学専攻のキャリアは交渉に生きるのか、とも思いました。分野違いと思っていても、その能力が役に立つことがあるんだと知りました。
- 本校でもSDGsを学んでいます。実際の電力供給は化石燃料8割以上・・・ということは電力自体が今のままでは持続不可能な開発・・・その現状も伝えながら、今回教えて頂いた新しい技術への期待も伝えていきたいと思います。そして、世界平和と電力価格も密接な関係にあると気づいた今、電力を通して世界を、未来を、持続可能な開発を見ていくことの大切さに改めて気付いたワークショップでした。