エコ×エネ体験ツアー 火力編@磯子学生ツアー 2022年ツアーレポート
科学と社会をつなぐ「科学技術コミュニケーション」
最終日は、ゆかりんによる「科学技術コミュニケーション概論」からスタート。石油による発電が主流になる中でも石炭が消えなかった背景や三渓園の景観の問題に取り組んだドクターの体験も交えながら、市民と自治体、企業がともに考えながら公害防止に取り組む「横浜方式」が紹介されました。また健康や災害など多くの人々の不安が拭えない問題に対して、科学的な知見だけでは、どのように社会や政治が対処すべきかを判断することができないという「トランスサイエンス」の事例として、BSE問題やラクイラ地震が紹介されました。科学と社会がより望ましい関係になるようなコミュニケーションとは何か、科学と社会をつなぐためには異分野の人たちが共に考えることが重要ではないかといった、学生自身が気づきを得られるような解説が展開されました。


社会課題の解決に向けて行動するために
いよいよ最後のまとめです。「行動化に結びつけるために何をすれば良いか」を学生のみでディスカッションし、その結果をプレゼンテーションしました。プレゼンで学生たちは「情報格差を減らすためのコミュニケーションの場作り」をテーマに、エネルギー問題や教育格差に関心がない人たちに、いかに情報を届けるか、SNSや動画を利用してハードルを下げて参加しやすい状況にしたいと説明しました。スタッフからは「どういう状態が公平や公正なのか。本当に欲しいと思った公正・公平であるのかどうか」という問いかけや「日本の義務教育の機会は平等。物事の本質を捉えて探究してほしい」といったメッセージ、「そもそも情報にアクセスできない人の存在を考える大切さ」等も伝えられました。

最後は、学生が今すぐ行動できることを宣言。すべての学生が積極的なコメントを発していたのはとても心強く、スタッフからも温かいメッセージが送られて、濃密な3日間のプログラムは終了しました。



最終日は3人の学生にお話を聞きました!
慣れ親しんだ国や地域をもっと知ってもらえるようにゆうき@国際関係学部さん
将来は海外で働くことも視野にたかひろ@国際資源学部さん
進路を模索するために、いろんな人と話す機会にたけ@生命科さん
17の目標のつながりを実感
2030年のSDGsの目標まであと8年。現在18歳の学生は26歳になります。そしてカーボンニュートラル2050年には、現在18歳の学生は46歳になります。持続可能な社会の実現のためには、ひとりひとりの行動が鍵となるでしょう。まず考えなければ、学びを深めなければと行動を起こし参加した学生たちのアンケート結果からは、参加前に考えていた学びと、参加後に感じた学びの広さ、深さに違いがあることがうかがえました。

「エコ×エネ体験ツアー火力学生編@オンライン」は、SDGs17の目標と、2050年カーボンニュートラルに向けて、若者たちが学び合う場と日本と世界のつながりをより身近にする機会が得られる3日間です。小学生向けツアー、学生向けツアー、教師向けツアー、社会人向けサイエンスカフェ等さまざまな学びの機会を提供する「エコ×エネ体験プロジェクト」では、今後も未来を担う若者たちが行動化への気付きを得られる場づくりを大切にしていきます。
