小学生親子向け 水力編@奥只見

エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見小学生親子ツアー プログラムアドバイザー

エコ×エネ体験ツアー、それは「発見と学びに満ちた楽しいプログラム」でした

「ねえねえ、せきちゃんは“なに発電”がいいと思う?」
夕食のときに、がく君(小学校5年生)から急に話しかけられてドキッとしました。

初日は発電所を探検して電気のことをあれこれ学ぶプログラム。まずは遊覧船で奥只見湖を横断しながら「全員と握手」などの課題をクリアするビンゴゲーム。ダムの上(天端)から150メートル下りた地下通路は気温10度で吐く息が白くなる別世界でした。この発電所では引き込んだ水で水車(ランナー)を回して電気を作ります。首都圏が猛暑となったこの日は4つの発電機のうち3機が稼働中で、外壁に寄りかかるとゴゴゴ…と力強い振動を感じました。
そこで冒頭の会話です。いっしょの班とはいえ、今日初めて会ったおじさんに話しかけるのにはけっこう勇気がいったろうと思いますが、がく君はきっと初めて足を踏み入れた発電所で見たこと、聞いたこと、感じたことを誰かに話したくなったのでしょう。気づけば周りのテーブルでもたくさんの「世代を越えた対話」が実現していました。

雷雲が付近に停滞していたせいで皆が楽しみにしていたナイトハイクは残念ながら中止になりましたが、その代わり翌朝の散歩には全員が終結。軽く体操とストレッチの後、草笛を吹いたりしながら朝もやの中をたっぷり1時間、辺りを散策しました。

2日目は森を体験するプログラム。キープ協会のレンジャーの皆さんは森の達人ぞろいで、木のこと、虫や生きもののことをいろいろ教えてくれます。目隠ししながらムカデ歩きでブナの林を進み、幹の根元に寝転がって濡れ落ち葉と一体化しながら耳を澄まします。森の匂いと葉っぱに当たる雨粒の音、遠くの川のせせらぎが聞こえてきて、木々に包まれている安心感、開放感で、あいにくの雨でも皆ニコニコ楽しそうです。 楽しい実験で森の土壌の保水力や、雨粒~川・地下水~湖~発電~暮らしの中の電気までのつながりを学んで、ふり返りの時間には一人ひとりが感じたこと、学んだことを大人も子どもも生き生きと発表しました。

現場や機会を見てテンションが上がったというお父さんは元エンジニア。そんなお父さんを見るの初めてと語る子どもたち。大真面目に自然を語るレンジャーの皆さん。一人ひとりに目配り気配りして声をかけ質問に対し真顔で説明するスタッフ。普段あまり見ることのないこういう大人たちの姿からも子どもたちは多くのことを学びます。そんな子どもたちを見守る親たちにとっても、このプログラムは発見と学びに満ちていました。

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 経営戦略室 CSR推進部 部長
関口 慎一郎

プロフィール:関口 慎一郎(せきぐち しんいちろう)
関口 慎一郎 株式会社日立製作所 情報・通信システム社 経営戦略室 CSR推進部 部長

1982年(株)日立製作所に入社。研究所総務、社内研修所スタッフ、支社及び事業部総務を経て2006年より現職。より良い社会の実現のための企業の役割(CSR)について社内コミュニケーションを推進するとともに、さまざまなステークホルダーとの対話と学びの場づくり(ESD=Education for Sustainable Development)の実践に努めている。