小学生親子向け 水力編@奥只見

エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見小学生親子ツアー プログラムアドバイザー

エコ×エネ体験ツアー@奥只見 小学生親子編(10.8.3〜4)に参加して

「森にいそうろう!」 

少年が母親の方を向いてニッコリした。

太陽の光が差し込む明るいブナ林の中で、親子で地面に横になる時のことだった。ブナの葉っぱを詰め込んだ布袋が枕代わりだ。

あんなこともやった、こんなこともあったと、横になりながら二人で二日間のできごとを話す近くを通り過ぎて、私もほんわかした気持ちになった。 

集合から解散までのわずか27時間は、たくさんの要素で満ちていた。強く印象に残ったのが「親子の時間」。普段の生活の中では、こんなにみっちりと時間と体験を分かち合うことはないはずだ。

温かく安心できる「親子の時間」は、体験のプロと発電の専門家らによって支えられていた。両者の組み合わせが、何といってもこのツアーの価値だろう。

「博物館」ではなく、実際に発電されている生の現場を体験し、その仕事に従事している人たちの声を聞く。大人の知的好奇心にも応えることができ、同時に、直感的・感覚的な自然に対する理解も導いてくれる。 

主催側のねらいであった、「森と水と電気のつながり」への気づきは、最後のコメントで何人もから聞かれた。とても27時間とは思えない、ゆったりとした、それでいてみっちりと詰まったプロジェクトだった。

高野孝子

プロフィール:高野孝子(たかの たかこ)
新潟県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、同大政治学修士、ケンブリッジ大学M.Phil、エジンバラ大学Ph.D

90年代初めから「人と自然と異文化」をテーマに、多文化構成による地球規模の環境・野外教育プロジェクトの企画運営に取り組む。犬ぞりとカヌーによる北極海横断やミクロネシアの孤島での自らの活動を環境教育の素材とするプログラムを展開。09年には英国学校探検協会によるグリーンランド遠征において、リーダーとして青少年らと活動。「地域に根ざした教育」の重要性を掲げ、07年より「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」事業を開始。2010年7月公開の龍村仁監督「地球交響曲第7番」に、アンドルー・ワイル博士らとともに出演。

(特活)エコプラス代表理事、早稲田大学客員准教授。著書に『てっぺんから見た真っ白い地球』、『ホワイトアウトの世界で』、『世界遺産の今』(共著)、『野外で変わる子どもたち』など。

http://www.ecoplus.jp