小学生親子向け 水力編@御母衣ツアー

エコ×エネ体験ツアー 水力編@御母衣小学生親子ツアー プログラムアドバイザー

J-POWERプログラムアドバイザーレポート

未曾有の被害をもたらした、3.11の東日本大震災と、その後起こった東京電力福島第1原子力発電所事故による放射能汚染は、私たちに大きな衝撃を与えました。こうした社会情勢の中、参加した小学生から「原子力発電に代わるエネルギーとして自然エネルギーに興味があって参加した」というコメントが聞かれるなど、昨年とは違った雰囲気の中での開催となりました。水力発電所の仕組みを理解し、その迫力を感じ、そして世界遺産の合掌集落と森を散策する中で、参加した親子の心に届いたものは何だったのでしょうか。  

「原子力発電に代わる電源供給として水力発電を増やせばと簡単に考えていましたが、まずは自然を大事にし、増やし、現在の資源を有効利用していかなければいけないなと強く感じました。」  

これは最後のふりかえりでの参加者からのコメントです。ツアーを通じて御母衣ダム建設にかかった苦労と犠牲、ダムに携わる人々の想い、そしてダムに湛えられる水が生まれる豊かな森…。水力発電は、決して自然からタダでエネルギーを得ている訳ではなく、それを支える多くの人々の努力と苦労の賜物であるということが、実感を伴って伝わったツアーだったと思います。  

昨年に続き2年目の開催ということで、いくつか改善された点もあると聞きました。行程にゆとりを持たせたとのことですが、まだ改善の余地はあると思います。若手社員のより積極的な参画と、ツアー参加者からの気づきを共有する場を充実させれば、さらに学びのあるエコ×エネ体験ツアーになると確信しています。  

 

ホールアース自然学校 神戸六甲分校コーディネーター/
NPO法人ホールアース研究所理事
大武圭介

プロフィール:大武圭介(おおたけ けいすけ)
ホールアース自然学校 神戸六甲分校コーディネーター/
NPO法人ホールアース研究所理事

筑波大学/同大学院で森林経営学を学んだ後、岐阜県のオークヴィレッジ森の自然学校、岐阜県立森林文化アカデミーを経て、2003年よりホールアース自然学校に入職。これまでにエコツーリズムを通じた地域振興調査事業(環境省、神戸市等)や、環境教育の人材育成事業、企業のCSR活動支援(労働金庫連合会、富士通等)を多数担当。
2009年より、神戸市六甲山上に5つ目の活動拠点となる「神戸六甲分校」を開設し、責任者として六甲山を中心とした自然学校の立ち上げに奔走中。