大学生向け 水力編@奥只見ツアー レポート

エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見大学生ツアー プログラムアドバイザー

エコ×エネ体験プロジェクト 水力編@奥只見大学生ツアー2017に参加して

初めてのエコ×エネツアー、学生たちと同じ目線で参加しました。違うタイプの水力発電の仕組みを丁寧な現場説明で学ぶ奥清津発電所と奥只見ダムの見学。ダム湖とは思えない神秘的な景色の中を進む遊覧船。ブナの魅力にどんどん引き込まれていく森での体験プログラム。早朝の霧雨で生き生きと茂るエコパークの散歩。大人たちの人生と経験と知恵が詰まった感慨深い座学。学生一人一人の個性的な行動宣言が導き出される熱い討論と発表。暖かいユーモアととびっきりの情熱で学生たちの堅さをほぐし、気づきを促す実験やゲーム、歌と踊りや演劇。プログラム・デザインの工夫とスタッフたちの苦心そして見事なスキルを随所に感じることができました。

盛りだくさんの内容にもかかわらず、一貫したテーマがプログラム全体をきれいにまとめ上げています。「エコ×エネ」、その間の「×」の謎を探せ。自分なりの答えを見出せ。プログラムのどの内容も「×」というテーマからは離れない。参加した学生たちは、エネルギーを手がかりに、広義のエコ(持続可能な社会)について改めて思考を巡らし、意見を交わし、自分の意志(やりたいこと)を確認できたのではないでしょうか。

もちろんこのツアーの収穫はそれにとどまりません。文系理系を問わず全国から集まった同世代とじっくり3日間もともに過ごしたことによる学びは、常にプログラム実施側の想定を超えます。真剣で好奇心ある若者が集まると、想像以上のエネルギーが生まれます。見ているとこちらも思わずより大きな成果を欲張るようになります。例えば、見学の現場説明や座学、討論の過程に、もっと学生たちが主役となりうる「プログラムの余白」を作ることができれば、また、学生たちから発せられた質問や疑問を随時吸収し応えていく一段上の柔軟性があれば、学生たちのエネルギーをより一層引き出せるのではないでしょうか。そうすれば、きっと用意された「×」の答えではなく、参加者の数だけの「×」の意味が発見されていくことでしょう。そう思うとますますわくわくします。

駒澤大学 教授 李 妍焱