BLUE MISSION 04

Challenges for
Hydrogen Energy

CO2フリー
水素エネルギーの挑戦

社会全体のカーボン
ニュートラルに貢献

水素は利用時にCO2を出さないため、船舶や製鉄や化学工場など電化が難しい様々な産業分野のCO2削減に貢献できます。一方で「水素」単独の形では地球上にほとんど存在しません。J-POWERグループは、製造時にもCO2を出さない「CO2フリー水素」の製造から利用、供給実現に挑戦し、社会全体のCO2削減に貢献していきます。

水素提供を通じて幅広い産業分野の脱炭素化に貢献

CO2を出さずに
水素をつくる

J-POWERは多様な方式による「CO2フリー水素」製造を目指します。
ひとつは火力分野で研究を続けてきた石炭「ガス化技術」と「CO2の分離・回収技術」を組み合わせ、国内外で水素製造・利用の実証実験を進めています。
また、⻑年の⽔⼒・⾵⼒発電で培った運⽤実績と知⾒を活かして、再⽣可能エネルギーの電⼒を利⽤した⽔素製造も⽬指しています。

CO2フリー水素の様々な製造方法

CO2をとじこめる・
利用する

CO2フリー水素の製造には回収したCO2の処理が不可欠です。J-POWERグループは、CO2を地中深くに閉じ込める技術(CCS技術)や、CO2を資源として再利用する「カーボンリサイクル」の検討も進めています。
2022年7月には回収したCO2を液化し植物の育成を促す資源として再利用する「カーボンリサイクル」の実証試験を開始しました。

CO2利用方法の例
BLUE MISSION 05

Hydrogen
Supply Chain

日本でも世界でも水素を製造

国内でのCO2フリー
水素発電を目指して

国内では大崎クールジェンプロジェクト※を通じて、CO2フリー水素発電の商用化を見据えた段階的な実証試験を進めています。現在は、石炭ガス化技術とCO2分離・回収技術の実証を進めることで、水素濃度を高めたガスでの発電試験を行うとともに、さらに燃料電池も組み込んで水素利用と水素発電を可能にする実証試験に取り組んでいます。
※大崎クールジェン:J-POWERと中国電力㈱との共同、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業。

大崎クールジェンプロジェクト 実証試験設備

海外での
CO2フリー水素製造

J-POWERは、オーストラリアの褐炭から水素を製造して日本に輸送する水素サプライチェーン構築実証事業に参画し、2022年に本試験を無事完遂しました。当社は褐炭ガス化と水素精製を担当しており、今回の事業参画により得られた知見をもとに、将来的にはCO2を回収・貯留して大規模なCO2フリー水素供給を目指します。

褐炭ガス化・水素精製設備
提供:HySTRA, J-POWER/J-Power Latrobe Valley
水素サプライチェーンの全体図
BLUE MISSION 06

J-POWER
GENESIS Vision

2050年の次世代エネルギーシステム

カーボンニュートラルへ向けた
着実な一歩

電力を安定的に供給し続けながら早期にCO2を削減する。これがJ-POWERグループの使命です。私たちは「ガス化技術」を核にした次世代のエネルギー転換システム「J-POWER GENESIS Vision」の実現を目指します。石炭やバイオマスなど固形燃料を原料に、発電だけでなく水素の製造・供給、化学製品や鉱物などの生成も可能にします。2021年4月にスタートした「GENESIS 松島計画」はその第1歩です。既設の松島火力発電所の施設を活かしながらガス化設備などを付加して「アップサイクル」する計画です。水素を含むガスでの発電を可能にし、将来的にはCO2フリー水素発電を目指します。

カーボンニュートラルへ向けた着実な一歩

“ニュートラル”から
“マイナス”へ

固形燃料である石炭と一緒に植物由来のバイオマス燃料を混ぜてガス化したCO2フリー水素製造にも取り組んでいきます。
植物は成長過程で大気中のCO2を吸収します。水素製造時にそのCO2も取り除き適切に処理をすれば、大気中のCO2を削減したことになります。
これにより発電時にCO2を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」よりさらに進んだ「カーボンマイナス(ネガティブエミッション)」の実現も可能です。

“ニュートラル”から“マイナス”へ