洋上風力発電で気候変動問題解決に貢献を
United Kingdom
JP Renewable Europe Company Limited

Global J-POWER ―世界とともに―

90基の風車が立つトライトン・ノール洋上風力発電所。北海洋上にもかかわらず、波が静かなのが印象的。

競争条件の変化はビジネスチャンス

JPREC社が入るビル。ロンドン中心街のパディントン駅の近くにある。
トライトン・ノール洋上風力発電所を視察した際の写真。貝原さんは右から2番目。
風車の資材を仮置きするための浮体式作業台。コンテナを組み合わせてつくる。カナリア諸島にて。
JPREC社の4人の社員。左から代表の湯屋博史さん、貝原さん、エンジニアの坊地修平さんと大村直哉さん。

2050年カーボンニュートラル実現に向けて、現在日本で注目されている洋上風力発電。英国は累積導入量世界第2位、欧州第1位の規模を誇り、この分野でトップランナーの国の一つだ。

J-POWERは、英国で2018年に現地法人JP Renewable Europe Company Limited(以下、JPREC社)を設立、「トライトン・ノール洋上風力発電所」に持ち分25%の投資を行った。本発電所は、北海洋上において9,500kWの風車90基、総発電容量85.7万kW(大型火力発電所に相当)という大規模なもので、2022年4月に営業運転を開始した。

同社で財務、監査などの管理業務全般と営業開発業務を担当するアドミニストラティブマネージャー貝原萌奈美さん(J-POWERから出向)に話を聞いた。

「トライトン・ノールに投資した大きな目的の一つは、洋上風力発電に関する広い知見を獲得し、日本での今後に活かすことで、その目的は今も変わっていません。工事が完了した現在は利益還元にも焦点を当てており、次の新規案件獲得に向けた営業活動にも力を入れています」

昨今の欧州は、資材高騰や制度改革など事業環境の変化が目まぐるしく、事業者には柔軟な対応が求められる。一方で、「このような状況は、ビジネスチャンスでもある」と貝原さんは語る。

「市場や環境が変化したことで、既存資産の売却やプロジェクトを離脱する企業が増えており、そこに参入の余地が生まれています」

新規案件検討時のデューデリジェンス(投資対象の事業評価、リスク分析、実現可能性評価など)も貝原さんの仕事の範疇(はんちゅう)だが、地元政府の政権交代等による制度変更やパートナー企業の状況変化などもあり、その検討も一筋縄ではいかないようだが、「うまくいく案件もそうでない案件も、次のステップへの学びになるようにしています」と貝原さんは前向きに話す。

そうした中で新たに参画した案件が「WHEEL」。スペインESTEYCO SA社と連携し、カナリア諸島沖に建設予定の浮体式(風車を海底に固定せず、洋上の浮体構造物に設置する方式)洋上風力発電所の実証プロジェクトだ。これは2026年の運転開始を目指して6,170kWの風車1基を設置するもので、欧州委員会の支援も受けている。水深の深い海域でも風車設置が可能な「浮体式」という新しい構造技術の実証を通じて、日本での将来的な事業展開に向け、知見の獲得を目指している。

WHEELで使用される2枚羽根の風車を視察。
トライトン・ノールの変電所。変電所も洋上にある。

ロンドンは多文化&グローバル

2023年7月にJPREC社に赴任した貝原さん。休日にはロンドンの街歩きなどを楽しむ。「ロンドンは多文化でグローバルな大都市なので、外国人であることが不利にはなりません。欧州では寿司やラーメンなどが人気ですが、英国ではなぜか〝カツカレー〞が人気ですね」と笑う。

最後に仕事のやりがいを尋ねると、「欧州で培った知見を、日本の再生可能エネルギー拡大に活かしたい。その思いが日々の挑戦の原動力になっています」と穏やかに語ってくれた。

クリスマス飾りのロンドン市内オックスフォード・ストリート。
英国人のソウルフード、フィッシュ&チップス。