vol.2 身近なエネルギー・自転車発電に挑戦!   3/5ページ

●発熱するということはお湯も沸く!?
パンは焼けなかったものの発熱することに気をよくした取材班は、「ゆで卵づくり」を試すことに。ひとつの発電機では十分なエネルギーがでないと予測して、今回は3台のマシン(自転車)と交代要員を何人も用意して、実験にチャレンジしました。
 


実験その2 ゆで卵をつくってみよう※危険ですので、くれぐれもマネをしないでください。

実験装置はいたってシンプルです。発電機から電線をひっぱってニクロム線を接続。熱が逃げないように容れ物を発泡スチロールで覆いました。もちろん手作りです。


この日の水温は22℃。気温26℃。電熱線を自転車の発電機と直結しました。
10人以上の実験班がスタンバイ。疲れたら交代する体制でいよいよ実験開始です。
3分経過・・・水温23.0C

初夏の陽気の中、人間発電機となった実験班はいっしょうけんめい。
9分経過・・・水温24.2C
人間はすでにばてばて状態。イメージどおりの水温上昇とはいきません。
12分経過・・・水温24.0C
接続ミスで2分のロスが発生。上昇して
いた水温も下がりはじめた…マズイ。
パワーアップ 目指せ80C
18分経過・・・水温25.6C
3台目の追加がきいたのか再び水温が上昇傾向に。それでもゆで卵ができる温度には…。
24分経過・・・水温27.0C
このあたりからみんなの表情から笑顔が消えました。
30分経過・・・水温28.0C
「これでは何時間かかるか分からないですね。」の一言で実験終了。
はたして卵の中身は・・・!?
それでもおそるおそるふたを取ってみることに。もしかしたら温度計の不具合で実際はゆで卵になっているかもしれないからです。
「実験は失敗するから、実験なんです」との名言をいただきました。難しい計算をすればわかるそうですが、失敗は最初から予測できていたそうです。

ゆで卵にならなかったのは・・・
大きな期待と裏腹に、わずかな水温上昇であきらめてしまったゆで卵づくりですが、その原因はどこにあるのでしょうか?実験班にカロリー計算をしてもらいました。すると、約1時間こぎ続けるとできるかもしれないとのこと。それもあくまで計算上のことであって、今回の実験装置だと発生した熱の約20%だけが水に残って、80%は空気に逃げてしまった可能性があるというのです。
※1カロリーは、1グラムの水の温度を1度上昇するエネルギーのこと。

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