プレスリリース

2020年

プレスリリース

インドネシア国でのCCS実証プロジェクトに向けたJCM調査事業の開始について

2020年5月20日
電源開発株式会社
日本エヌ・ユー・エス株式会社

電源開発株式会社(代表取締役社長 社長執行役員:渡部肇史、本社:東京都中央区)と日揮グループの日本エヌ・ユー・エス株式会社(代表取締役社長:近本一彦、本社:東京都新宿区)が共同提案した「尼国Gundihガス田におけるCCSプロジェクトのJCM実証に向けた調査」が、経済産業省事業「令和2年度二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業(国際貢献定量化及びJCM実現可能性調査(CCUS含む)、人材育成事業支援事務局及びCEFIA国内事務局業務)のうちCCUS国際連携事業」に採択されましたので、お知らせします。

Gundih(グンディ)ガス田は尼国の中部ジャワ州に位置しています。天然ガスの生産において、生産ガス中に含有される約20%のCO2が分離され、年間約30万トンのCO2がそのまま大気放散されています。本調査では、分離されたCO2を近郊の圧入井までパイプライン輸送して、地下に圧入・貯留するCCS実証プロジェクトの詳細計画を策定するものです。天然ガスの生産過程において、既にCO2は分離されており、必要となる設備は限られているため、低コストでCCSが実現できる可能性があります。

Gundihガス田におけるCCSプロジェクトは、2012年に地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)※1として開始し、京都大学とバンドン工科大学を中心に5年間の研究開発が進められた後、アジア開発銀行の支援下の政府主導プロジェクトとしてさらに検討が進められ、2019年には基本調査が完了しています。
本調査では、CCSプロジェクトを実証フェーズに移行させるため、我が国の先進的な技術とJCMの適用可能性を検討※2し、次年度以降の実証事業を着実に進めることを目的としています。具体的には、CCSプロジェクトを安全に遂行するため、尼国の法的枠組みやISOなどの国際標準に準拠するとともに、社会受容性を含め、我が国のこれまでのCCSに関する取組みで蓄積した先進的な技術の適用可能性を検討します。本プロジェクトが実現すれば、東南アジア初のCCS実証プロジェクトとなり、アジア地域におけるCCS事業のモデルになるものと期待されています。

アジア諸国では、電力需要は依然として旺盛であり、今後も石炭火力開発の強いニーズがあります。高効率な石炭火力発電技術に加え、CO2の大幅削減を可能とするCCSおよびCCUSにより、石炭火力のゼロエミッション化が可能となります。両社は、本調査事業を始め、地球環境問題の解決に向けてグローバルに貢献してまいります。

CCS: Carbon Capture and Storage (二酸化炭素回収・貯留)
CCUS: Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage (二酸化炭素回収・利用・貯留)

※1)地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS):
科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)による国際共同研究を推進するプロジェクト。Gundihガス田におけるCCSの研究開発は、SATREPSプロジェクトの1つとして、研究代表者である京都大学 松岡俊文 教授とバンドン工科大学ジョコ・サントソ学長により進められた。

※2)JCM(Joint Crediting Mechanism:二国間クレジット制度)は我が国の優れた低炭素技術等を途上国で実施することで実現された温室効果ガス排出削減量を評価し、我が国の削減目標の達成に活用するもの。本調査では、今後の実証フェーズにおいて、CCSにより削減される温室効果ガス排出量を定量化するための方法論を検討する。

図-1 日尼両国の実施体制
図-1 日尼両国の実施体制
図-2 プロセス概念図図-2 プロセス概念図

以上

添付書類

本文(PDF:211KB)

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