写真:山口晃司

本気人 #003

三味線奏者

山口晃司

三味線の既存のイメージを壊して、
新しい価値を創造したい。

今回私たちは、「世界一の早弾き三味線奏者」山口晃司さんに、山葵沢地熱発電所をテーマにオリジナル楽曲の作曲をご依頼。完成したのが『Ales-飛翔-』です。山口さんが同楽曲に込めた思いとは?そして、山口さんにとっての本気とは???

―早速ですが、今回の楽曲は、
どのように制作されたのですか?

作曲した『Ales-飛翔-』は、山葵沢の自然あふれる綺麗な景色と空、そしてJ-POWERさんや地元の方々が胸に秘めた情熱を地熱エネルギーと関連させて曲を作りました。タイトルの「Ales」は、ラテン語で未来に向けて羽ばたくという意味を持つ言葉です。

写真:山口晃司

―楽曲の、特にどこを聴いて欲しいですか?

今回は、三味線一本でもなく、バンドスタイルでもない、ダンスミュージックに挑戦しています。キャッチーなメロディと山口晃司らしい疾走感をいかに両立させるかがポイントでした。制作過程では作っては壊しの連続でしたね。でも、最終的には、これだ!というものになったので、満足しています。特にイントロから連続したフレーズで引き倒しているところは、自分らしさが表現されていると思います。

海外で三味線の魅力を伝えれば、
日本人も改めてその魅力に気づくんじゃないか。

―そもそも、どのようにして「世界一の早弾き三味線奏者」になられたのですか?

20歳の頃に海外で演奏活動をするようになって、その時に、オーディエンスの自由な表現の仕方に、ものすごく感動、感激して。ステージで演奏する側の人間も、もっと自由に表現するべきだと思えたんです。自分のアイデンティティは三味線演奏家なんですけど、僕自身がロックが大好きということもあって、誰もやっていないような激しいパフォーマンスを三味線でやろう、誰が聞いても速いなって思われる風に演奏しようとなりました。

―どうして海外に行こうと思ったのですか?

海外の国々の人たちと触れ合う機会があって、その時に三味線を、日本の文化を、日本の中だけで留めておくことが正しい選択だとは思えなかったんです。日本の伝統芸能を海外の人たちに伝ええられれば、それが回り回って、日本の人たちにも改めてそれらの文化、音楽の可能性や魅力に気づいてもらえるんじゃないかと思って。それで海外に行きました。

―三味線を使うことで他の楽器とのパフォーマンスの幅ってどう変わりますか?

激しいパフォーマンスをすることでいうと、ギターや他の洋楽器の方が圧倒的にアドバンテージが高いんです。皆さんにも、三味線って座って静かに動かずに弾くみたいなイメージがあると思うんですけど。そこの壁を乗り越えたいなと。三味線を使いながら、どういう動きが出来るのかっていうのは日々勉強しながら、特訓しながらやっています。

写真:山口晃司

自由に自分が表現したいようにして、
誰か1人でもいいから届くように。

―最高のパフォーマンスとは?

間違えないとか、ピッチが素晴らしいとか、リズム感がすごいとか、それも大事だとは思うんですけど、そうじゃなくて、自分のパフォーマンスが、発言する言葉一つでも、一音でもいいのでお客さんに届いて、オーディエンスと僕が一体になった瞬間、時間が最高のパフォーマンスになるのかなと思っています。だから、自由に自分が表現したいようにして、誰か1人でもいいから届くようにっていう思いでパフォーマンスしています。

写真:山口晃司

―三味線が伝統的なものだとすると、
 山口さんはその逆を進んでいるようにも見えます。

伝統というのは、伝わっていくことが一つの最重要事項だと思うんですけど、いままでの方たちとか、いままでの歴史を別に否定するわけではないんですけど、三味線という楽器が歩んできた歴史のもろもろをずっとさかのぼって見てみると、いま果たして三味線がいろいろな人たちに伝わっているのかというと、そんなに伝わってないと思うんです。だから僕らには伝えていく責任がある。それで、伝えていくためにというところで、三味線の既存のイメージをぶっ壊して、ぶっ壊すだけじゃなくて新しい価値観とか、新しい魅力っていうのを僕は創造していかなきゃいけないと思っています。

写真:山口晃司

―最後に、山口さんにとって、“本気”とは?

僕にとっての本気とは、挑戦して、挑戦して、挑戦し続けて、もうこれ限界だと思ったその先にあるものじゃないかと思います。僕は人生を、自分自身で道を切りひらいたり、紡ぐことのできる物語だと思っているんです。自分が成長するために、何かに取り組むにしても、いつでもどこからでも自分次第で始められるし、やめることだってできますから。限界点というのは絶対自分が決めるものだと思うので、その限界を超えたっていうのが、真の本気に繋がるのかなと思っています。考えられるだけ考えて、あとは自分の思うがままに突き進んでいきたいですね。

写真:山口晃司
山口晃司

1989年生まれ、山口晃司三絃会の会主。
世界最速の三味線奏者として活躍している。

幼少期から民謡、津軽三味線、沖縄三味線を親しみ、
10代では数々の全国大会にて優勝。

その後、国内での高松宮殿下記念世界文化賞奉納会や
皇居敷地内での三國シェフとのコラボイベントのほか、
サッカーFIFAクラブワールドカップ2012で演奏するなど
海外でも活動し、国内外で高い評価を得ている。

ほか、岐阜県北方町 PR大使や
名古屋市の緑区大高観光PR大使としての活動、
愛知県の事業「あいち技能応援団」の音楽監修、
津軽三味線 吉田兄弟の弟・吉田健一プロデュースの三味線集団「疾風」への参加、
細川たかしをはじめとした歌手のバック演奏、
CM音楽や番組音楽の作曲など、活躍の場は多岐にわたる。

写真:ヨシダナギ

本気人 #001

フォトグラファー

ヨシダナギ

写真:島津 藍

本気人 #002

ダンサー

島津 藍

写真:GinyuforcE

本気人 #004

ヲタ芸/サイリウムダンス パフォーマンスチーム

GinyuforcE