写真で見るJ-POWER70年の歩み

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2022年9月16日、J-POWER(電源開発株式会社)は創立70周年を迎えた。
刻々と変化する時代に対応し、多様な発電方法を導入、日本全国の送電網を連系線でつないだ。不断の努力で安全で安定した電力供給を続けてきた、J-POWERの歴史を写真で振り返る。

1950年代

1951
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サンフランシスコ講和会議(写真:TopFoto /アフロ)

1952

電源開発株式会社設立

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戦後復興の電力不足解消のため、「電源開発促進法」に基づき誕生。当初は文京区小石川町に本店事務所を構えた(東京都)。

高碕達之助

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電源開発株式会社初代総裁。1917年に東洋製罐を創業。総裁を退いた後は政治家としても活躍した。

1956

佐久間発電所運転開始

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最大出力は35万kW。当時珍しかった米国の大型土木機械を採用するなどし、わずか3年で建設された。大規模水力開発の先駆けとなる(静岡県)。

1957
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銀座四丁目付近(写真:中央区立京橋図書館)

1958
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東京タワー開業(写真:Alamy /アフロ)

1960年代

1960

奥只見発電所運転開始

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奥只見ダムは、福島県南会津郡檜枝岐村と新潟県魚沼市にまたがる只見川に建設されたダム。発電所の最大出力はその後の増設を経て56万kWとなった(福島県)。

荘川桜移植

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御母衣ダムの湖底に沈むはずだった「荘川桜」を移植。60年以上経った今でも毎年花を咲かせている(岐阜県)。

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カラーテレビ本放送開始(写真:読売新聞/アフロ)

1961

御母衣発電所運転開始

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岐阜県大野郡白川村に建設された、ロックフィルダムを活用した発電所。ダム左岸直下210mの地下にある2台の発電機で最大21万5,000kWの発電を行っている(岐阜県)。

1962

ペルー国タクナ水力発電計画コンサルティング事業受託

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J-POWER 初の海外技術協力プロジェクト。ペルー国タクナ県経済開発公団と契約を締結し、水力発電所・送変電設備の施工監理などを実施した。

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首都高開通(写真:中央区立京橋図書館)

1963

若松火力発電所運転開始

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J-POWER初の火力発電所。筑豊炭田で採取される未利用の低カロリー石炭が有効活用された。出力は15万kW(福岡県)。

1964
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東京オリンピック開催(写真:アフロ)

1965

佐久間周波数変換所運転開始

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東日本と西日本で異なる周波数(50Hzと60Hz)を変換することにより、エリアを跨いだ電力融通が可能になった(静岡県)。

1967

磯子火力発電所運転開始

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横浜市磯子区に建設された石炭火力発電所。当初出力は53万kW。横浜市と公害防止協定を締結し、排煙脱硫装置を設置。環境保全対策や景観の保護にも注力した(神奈川県)。

1970年代

1970
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大阪万博開催(写真:久保靖夫/アフロ)

1973

沼原発電所運転開始

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夜間の余剰電力を用いて下池の水を上池に上げ、昼間のピークに合わせて発電を行うのが揚水発電所。電力需要ピークの先鋭化に伴い、大規模な揚水発電所(最大出力67万5,000kW)を那須塩原市に建設(栃木県)。

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オイルショック(写真:読売新聞/アフロ)

1975

鬼首地熱発電所運転開始

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マグマの熱を利用して発電を行う出力1万5,000kWの地熱発電所。現在は更新工事を行っており、2023年に運転開始予定(宮城県)。

北向マイクロ通信設備竣工

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マイクロ波回線全国連系が完成。自社で所有する通信設備は、発電所の遠隔監視制御などに用いられている。

1978
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サンシャイン60完成

1979

北本直流幹線運転開始

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本州と北海道の間を結ぶ連系線。国内で初めて直流超高圧送電線が導入された(北海道、青森県)。

オーストラリア国ブレアソール炭鉱の権益を取得

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オイルショック後のエネルギー源多様化のため、発電用、石炭の安定調達を目指して、海外の大規模炭鉱に投資を行った。

1980~1990年代

1980

関門連系線運転開始

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関門海峡を横断し、九州地方と中国地方の電力系統を連系する送電線。電圧500kV の2回線から成る(福岡県、山口県)。

1981

松島火力発電所運転開始

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日本初の海外炭を使用する火力発電所。石油依存を脱却し、エネルギー源の多様化を図るため建設された。出力は100万kW(長崎県)。

1989
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新元号「平成」発表(写真:Fujifotos /アフロ)

1990

インド国プルリア揚水発電計画コンサルティング事業受託

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大規模な揚水発電運用の知見を活かし、アジアをはじめ海外への技術協力を行った。2022年現在では世界60カ国以上、のべ370件以上のコンサルティング実績を有する。

1992
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新幹線「のぞみ」登場

1993
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レインボーブリッジ完成

1994

本四連系線運転開始

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岡山県と香川県を結ぶ送電線。ケーブル区間と架空線区間があり、電圧500kVの2回線(香川県、岡山県)。

1996

奥清津第二発電所運転開始

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1978年運転開始の奥清津発電所と1996年運転開始の奥清津第二発電所は、どちらも揚水発電所で、2つ合わせて最大160万kW の発電が可能。主に首都圏の電力需要ピークに合わせて発電を行う(新潟県)。

2000年代

2000

苫前ウィンビラ発電所運転開始

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J-POWERグループ初の商用風力発電設備で、風力発電として当時の日本国内最大規模となる3万600kWの出力。現在、大型風車への更新工事を実施している(北海道)。

2001
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米同時多発テロ(写真:ロイター /アフロ)

2002

磯子火力発電所新1号機運転開始

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磯子火力発電所を更新、出力は新2号機(2009年)と合わせて120万kWに増加した。超々臨界圧発電(USC)を採用し、世界最高レベルの高効率な石炭火力発電を実現。CO2の排出削減にも効果がある(神奈川県)。

EAGLEプロジェクト試験開始

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石炭火力発電の高効率化を目指した石炭ガス化複合発電(IGCC)のパイロット試験プロジェクトを若松研究所でスタート。またCO2分離・回収の試験により、技術を培った(福岡県)。

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サッカー日韓ワールドカップ開催(写真:ロイター /アフロ)

2003
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六本木ヒルズ完成

2004

電源開発株式会社民営化

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2002年に、コミュニケーションネーム「J-POWER」を採用。「電源開発促進法」廃止に伴い、新生J-POWERへ。東証第一部に上場を果たした(東京都)。

2007

タイ国カエンコイ2ガス火力発電所運転開始

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J-POWERが出資する、タイ国のガルフ・パワー社(出資比率49%)が建設したカエンコイ2発電所(ガスコンバインドサイクル)の1号機(73.4万kW)が営業運転を始めた。のちに2号機と合わせて146.8万kW の出力に。

2008

大間原子力発電所着工

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濃縮ウランおよびウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使用すること(フルMOX)ができる原子力発電所の建設を開始。CO2フリー電源で、原子燃料サイクルの一翼を担う。安全対策を最優先に建設が続けられている(青森県)。

2009

大崎クールジェン株式会社設立

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「酸素吹石炭ガス化複合発電 (酸素吹IGCC) 技術」および「CO2分離回収技術」の実用化に向け、大型実証試験を行う。NEDOの助成事業として、中国電力株式会社と共同出資で会社を設立(広島県)。

2010年~2020年代

2012
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東京スカイツリー完成

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山中伸弥氏ノーベル賞受賞(写真:TT News Agency /アフロ)

2014

上ノ国ウインドファーム運転開始

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12基の風車からなり、発電出力は2万8,000kW。2022年7月時点で、J-POWERグループが保有する運転中の風力発電所は国内に21カ所あり、風力発電設備出力は国内第2位のシェアを誇る(北海道)。

2016

このき谷水力発電所運転開始

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小水力発電は、潜在的な設置場所が豊富な再生可能エネルギーとして注目されている。このき谷水力発電所は、九頭竜ダム貯水池と此ノ木谷注水口の遊休落差を利用し、最大199kWを発電する(福井県)。

2019

山葵沢地熱発電所運転開始

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J-POWER、三菱マテリアル株式会社および三菱ガス化学株式会社の共同出資で設立した、湯沢地熱株式会社により建設・運営。発電出力は4万6199kWと、地熱としては国内有数の規模を持つ(秋田県)。

2020

NEDO事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/微細藻類基盤技術開発」受託

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若松研究所では、微細藻類を活用したカーボンリサイクルの研究を進めている。微細藻類を使用してバイオジェット燃料を生産することで、航空分野におけるCO2排出量削減への寄与が期待される(福岡県)。

竹原火力発電所新1号機運転開始

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旧1・2号機の合計出力60万kWを、同出力の新1号機へ更新。新1号機は、超々臨界圧(USC)を採用し、微粉炭燃焼の火力発電設備として世界最高水準の熱効率約48%を達成した。これにより、CO2排出量を従来より約2割削減。バイオマス燃料の混焼率10% を目標に、さらなる低炭素化を目指している(広島県)。

2021

日豪水素サプライチェーン実証事業で水素製造を開始

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日豪水素サプライチェーン構築実証事業において、J-POWERは褐炭ガス化(NEDO助成事業)・水素精製設備での水素製造(豪州連邦政府-ビクトリア州政府補助事業)を担当。低品位の未利用褐炭から水素を製造するもので、水素目標純度99.999%を達成した。(写真提供:HySTRA, J-POWER / J-POWER Latrobe Valley)

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東京オリンピック2020開催

2022

英国トライトン・ノール洋上風力発電所運転開始

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英国東部の北海上で建設を進めてきたトライトン・ノール洋上風力発電所(J-POWER出資比率:25%)の商業運転を開始した。同発電所は、風車単機出力9,500kW×90基、総出力85万7,000kWを誇る世界最大級の風力発電所。

インドネシア国バタン火力発電所運転開始

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出力200万kWの大型石炭火力発電所。J-POWER、伊藤忠商事株式会社、PTアダロパワーの共同出資会社により建設。発電燃料に、同国産の亜瀝青(あれきせい)炭を活用し、超々臨界圧技術を採用することで、同国の電力安定供給と環境負荷低減への貢献を目指す(写真提供:PT ビマセナ パワー インドネシア)。

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