環境科学の事業会社「株式会社エコジェノミクス」の設立について
平成15年7月1日
電源開発株式会社
株式会社トランスジェニック
電源開発株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:中垣喜彦、以下「J−POWER」)と株式会社トランスジェニック(本社:熊本県上益城郡益城町 代表取締役社長:井出剛 コード番号2342)は、化学物質が環境や生物におよぼす影響を遺伝子レベルで解析する事業を開始するために、株式会社エコジェノミクス(本社:福岡県久留米市 代表取締役:草野輝彦 以下「新会社」)を合弁会社として設立するための契約締結に、本日、合意しました。

新会社では、化学物質が環境や生物に及ぼす影響を評価するために、必須のツールとなるDNAマイクロアレイを開発し、遺伝子発現解析を行い、将来的にはこれらを体系的に利用することを目指しております。当面はそれらの研究開発に注力し、大学など研究機関との共同研究を開始することも計画しております。

このように、化学物質を遺伝子レベルで評価できるようになることは、従来の化学分析、毒性試験、病理学的観察に加え、新しい角度から化学物質を評価することを可能にし、それが環境や生態系を最大限に保全していくことにつながると考えております

なお、新会社が本社を置く「久留米アジアバイオ特区」は、福岡県が新産業の創出やバイオ関連企業・研究機関の集積を推進している「福岡バイオバレー構想」の中核拠点であり、小泉内閣が地域経済活性化の目玉政策として打ち出している経済構造改革特区に認定されております。

新会社概要
名称 株式会社エコジェノミクス(英文名:Ecogenomics Inc.)
役員構成 J−POWER3名 トランスジェニック2名
本社所在地 福岡県久留米市合川町2432番地3 久留米リサーチセンタービル
設立年月日 平成15年7月中旬(予定)
資本金 1億円(出資比率:J−POWER65% トランスジェニック35%)
業務内容 1.化学物質が生物と生態系に及ぼす影響(環境リスク)に関する、遺伝子工学の応用による分析及び評価
2.化学物質の環境リスクの測定器材及び分析器材の製造と販売
3.化学物質の環境リスクの分析と評価に関するコンサルティング及び研究受託
事業着手の背景
  1. 近年、「環境ホルモン問題」等に象徴されるように、化学物質による野生生物の健康や繁殖への影響が社会問題化しております。しかしながら、この問題には生物の生死に直接関わる急性毒性的な影響だけではなく、環境中に低濃度で存在する化学物質が世代を超えて生体に作用し続け、生殖能力の低下などの形で長期的に影響を与えるというような特徴があります。化学物質は多種多様にわたる上、人間の社会生活と密接な関係にあるため、野生動物へ影響を与える化学物質およびその排出源の特定が困難であるなどの側面があり、問題を一層複雑化させています。
  2. 現行の魚類等を用いた急性毒性および内分泌攪乱性試験では、影響を与えている化学物質やその排出源の特定のための手法として不十分であり、より優れた評価手段の開発が求められております。化学物質審査規制法は今般、人間のみならず野生動物への影響をも把握する観点から法律改正されており、環境省・中央環境審議会においても「遺伝子工学を用いた高度な化学物質リスク評価手段が早急に必要」との提言がなされています。
  3. このような社会的ニーズにこたえるべく、発電事業を通じて環境影響評価と対策技術の実施を長年にわたって手がけてきた電源開発株式会社(J−POWER)と、高度な遺伝子技術を駆使しバイオ事業を展開する株式会社トランスジェニックが共同し、環境や生態系に悪影響をおよぼす化学物質のリスク評価・管理を行うために必須となるツールの開発に取り組むものです。
研究内容

特定の外部ストレスによって生物の細胞内で生産が誘導されるタンパク質を「バイオマーカー」と称します。本研究開発においては、まず遺伝子発現解析技術により環境ホルモンを中心とする化学物質の曝露ストレスにメダカの生体内で応答するバイオマーカー遺伝子群を発見することを試みます。次に、数百単位のバイオマーカー遺伝子群の発現状況から化学物質のメダカにおよぼす影響を分子レベルで理解し、毒性学ならびに病理組織学的な知見と対比させながらそれらを評価することにより、環境ホルモンを中心とする化学物質の評価に適したバイオマーカー遺伝子を利用したDNAマイクロアレイの開発を試みるものです。さらに、それを用いた測定業務の受託や簡易型測定キットの製造販売をめざします。
各社問合せ先
電源開発株式会社 広報室 西井誠二 TEL:03-3546-2211
株式会社トランスジェニック 社長室 古賀吉治 TEL:092-736-8010
以上
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