本社ビル証券化について
平成13年9月4日
電源開発株式会社
当社は、この度、東京都中央区銀座に所有する本社ビル(通称でんぱつビル)の証券化を実施することを決定しました。

証券化の具体的な内容は、一般的な不動産証券化と同様に、物件を信託した上で特別目的会社(SPC)に信託受益権を売却し、SPCが社債の発行及び銀行からの借入により購入資金を調達するというものです。売却価格は215億円程度を予定しており、SPC(株式会社コービック・エンタープライズ)はうち155億円を社債の発行、残額を銀行借入などにより資金調達する見込みです。

当社は、証券化の実施以降も7年間の賃貸借契約を結び、引続き本社ビルとして使用することとしています。

当社は昭和27年に設立された国策会社であり、主に水力・石炭火力発電所の建設・運転をはじめとする卸電気事業を営んでまいりましたが、平成9年6月に民営化方針が閣議決定されており、爾来、これに向け財務体質の強化を図っているところです。このため今年度から第三次企業革新を実施することとし、財務基盤強化の一環として、資産の圧縮等についても検討を重ねてきており、今回の本社ビル証券化もその趣旨に沿うものであります。尚、今回の証券化により得られた資金につきましては負債の圧縮に充当することにしております。

社債については、ムーディーズ及びスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の2社から格付を取得する予定ですが、当ビルの優れた立地条件・耐震性等が評価された結果、資金調達コストはかなり低減される見込みです。

証券化全般のアレンジはみずほ証券が務め、9月中の実施に向け最終的な詰めを行っています。
[参考]
1.証券化対象資産の概要
名 称 電源開発本社ビル
所在地 東京都中央区銀座6丁目15番1号
階 層 地上16階、地下4階
面 積 (敷地面積) 3,775.11m2
(建築面積) 1,885.53m2
(延床面積)34,326.21m2
築 年 昭和62年
2.証券化の目的
  • 民営化へ向けての積極的財務体質改善(有利子負債圧縮)
  • 3.スキームの概要
    1. 本社ビルを信託銀行に信託し、信託銀行が発行した信託受益権を特別目的会社(SPC)に譲渡
      ・信託受託者:安田信託銀行
      ・信託受益権譲渡先:株式会社コービック・エンタープライズ
      ・譲渡価格:215億円
      ・譲渡年月:平成13年9月
    2. SPCは社債、銀行ローン及び当社からの匿名組合出資により、信託受益権購入資金を調達
      ・調達総額:約217億円
      ・内訳  :社債155億円、銀行ローン52億円、匿名組合出資10億円
    3. 当社は信託銀行と賃貸借契約を締結し、本社ビルを賃借
      ・賃貸借契約期間:7年
    4.関係機関
    アレンジャー みずほ証券
    引受証券会社 みずほ証券
    社債管理会社 日本興業銀行
    格付機関 Moody's及びS&P
    以上
    付属資料
    SPCの資金調達構造
    調達手段 調達金額 調達先 社債格付と残高推移
    銀行ローン 52億円 日本興業銀行
    社債 155億円 生保等
    機関投資家
    Aaa /AAA     87億円
    −−−−−−−−−−−−−−−−−
    Aa2 /AA+     19億円
    −−−−−−−−−−−−−−−−−
    A2  /A       20億円
    −−−−−−−−−−−−−−−−−
    Baa1/BBB+    14億円
    −−−−−−−−−−−−−−−−−
    Baa3/BBB‐    15億円
    匿名組合出資 10億円 電源開発

    ←−−−−− 7年 −−−−−→
    Page Top
    CLOSE