東京都水道局金町浄水場常用発電PFIモデル事業について
平成11年10月18日
電源開発株式会社
清水建設株式会社
石川島播磨重工業株式会社
石川島播磨重工業株式会社(以下IHI)、清水建設株式会社、電源開発株式会社の3社グループは、10月18日、東京都水道局金町浄水場(葛飾区)常用発電PFIモデル事業の事業者として、同水道局と契約書に調印しました。

本事業は、東京都水道局が全国の自治体に先駆けて導入するPFI事業であり、自家発電設備の建設・運営を実施する事業者を公募により決定した初めてのモデルケースとして、多方面から高い関心と多くの注目を受けている画期的なプロジェクトです。

今年1月に行われた公開募集の発表以来、4月に実施された一次審査に引き続き、7月15日に締め切られた二次審査の結果、当グループが事業予定者として7月23日に選定され、同局と正式契約に向けた交渉を進めてきました。

当グループは3社にて、同事業を目的とする合弁会社「金町浄水場エネルギーサービス株式会社」を9月3日に設立、同浄水場の敷地内にコージェネレーションシステム(IHI製熱電可変型コージェネレーションシステム:IM400IHI−FLECS・TYPE−E)を2000年9月末までに完成させ、東京ガスから都市ガスの供給を受けて、同年10月の運転開始日から20年間にわたり、同浄水場に電力と蒸気を供給することとなります。

このたび、わが国における実質的なPFI事業第1号案件の事業者として選ばれた当グループ各社は、今後とも官民協調の新たな仕組みとしてのPFI事業に積極的に関与していく方針です。
金町浄水場エネルギーサービス株式会社の概要
1.所在地東京都江東区豊洲2−1−1(IHI 東京第一工場内)。

2.資本金設立時)6,000万円<最終的には2億4,000万円まで増資する予定>。
出資比率)IHI:60%、清水建設:20%、電源開発:20%。

3.従業員約10人を予定。

4.役 員:次のとおり。全て非常勤。
代表取締役社長・安達竹雄<あだち たけお>(IHI航空宇宙事業本部ガスタービン事業部副事業部長)。
社長を含む取締役は5名(IHI:3名、清水建設:1名、電源開発:1名)、
監査役は3名(3社から各1名)。

5.供給規模
電力)外気温度34℃で、平常時7,000kW以上、非常時10,000kW。
熱量)22,600MJ(メガジュール)/時間以上の蒸気(10気圧)。

6.供給内容
(1)同浄水場の使用電力の約半分に相当する電力を、ガスタービン発電機2基で供給するほか、震災時などには非常電源として電力を供給する(非常用燃料として灯油を備蓄)。
(2)ガスタービン排気で蒸気をつくり、排水処理施設のスラッジ加熱用および発生土乾燥用の熱源として供給する。

7.東京都の本事業等に関わる経費
253億円(水道局が事業者及び東京電力株式会社に支払う20年間の経費合計額)

8.設備概要:以下のとおり。
設  備 項 目 仕 様
コージェネレーション設備 熱電可変型、非常用発電機兼用
ガスタービンの種類 一軸式航転型
システム系列数 2系列
燃料の種類 平常時:13A都市ガス
災害時:灯油
NOx削減方式 平常時:蒸気噴射方式
災害時:水噴射+乾式アンモニア還元方式
起動方式 圧縮空気によるエアータービン方式
能力・性能 最大発電能力 平常時: 7,000kW以上
災害時:10,000kW以上
平常時最高発電効率 35%以上
平常時最高総合効率 65%以上
環境性能 NOx排出量 23.8ppm以下(@16%02)
敷地境界騒音 45dB以下
敷地境界振動 60dB以下
9.当グループが本モデル事業の応募参画にあたって注力したポイント
(1)経済性
PFI事業は本来、官が行なう公共事業を民間に行なわせることから本事業においても、事業を担う当グループ3社の創意工夫により事業会社の健全な収益性を確保しながら、東京都の経費が最小となるスキームを考慮した。

(2)事業スキームの健全性
公共事業の運営に係わるリスクのうち、官から民に移転することによって経済性が実現できる部分を事業者を構成する3社の持つ経験・ノウハウなどを最も効果的に発揮できる形で積極的に引き受け、その中で官民双方がそれぞれ負担するリスクを主体的に管理するスキーム作りができるように留意した。

(3)プラントの信頼性と運転保守体制
20年間にわたってプラントの信頼性を確保することは、本事業において事業会社が負う責務の本質であることから、信頼できるプラントの建設と運転保守体制の構築に留意した。


以上
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