ペルー国ユンカン水力発電計画施工監理業務の実施について
平成11年6月2日
電源開発株式会社
当社はこの度、平成11年6月1日付けでペルー国にユンカン(Yuncan)水力工事監理事務所を設置し、ユンカン水力発電計画施工監理業務を本格的に実施することとしました。

<当社受注業務の概要>
  • 受注業務 ユンカン水力発電所の建設に係る工事施工監理及び技術管理
  • 契約期間 平成10年4月〜竣工(平成14年目途)まで
  • 契約金額 1,369百万円


  • これにより、当社のペルー国プロジェクトの受注は累計18件となりました。
    当社は昭和51年に、ユンカン水力発電計画のフィジビリティ調査見直し業務を国際競争入札で受注して以来、昭和56年に詳細設計、平成8年に詳細設計見直し業務を実施してきましたが、平成10年4月より施工監理に係わる業務をペルー国中央発電公社(EGECEN社: EMPRESA DE GENERACION DE ENERGIA ELECTRICA DEL CENTRO S.A. / 社長:LUIS PEREZ PINAS氏)より受注し、現在に至っております。

    現在、本プロジェクトは準備工事を概ね終了し、本年6月より土木本工事に着工する予定であることから、工事監理実施体制の整備を目的として本事務所を設置することとしたものです。

    ペルー共和国は、1990年に発足したフジモリ政権の諸施策実施により、経済活動および治安の改善が図られた結果、電力需要も著しい伸びを示してきました。しかしながら、過去10年間ほど電力を含むインフラ分野に対する本格的な投資が行われていなかったため、電力の民営化を積極的に進めて民間資本の導入による電源開発を進める一方、我が国のODAを利用したユンカン水力発電計画の推進を決定したものです。

    本計画は、ペルーの首都リマ市北東約約220kmのパスコ県に位置し、アンデス山脈の東側を流下するアマゾン川支流 (ウアチョン川及びパウカルタンボ川) の水資源を利用する計画であり、ウアチョン川には取水ダム(ウチュウエルタ・ダム)を、パウカルタンボ川には調整池ダム(ウアジャマーヨ・ダム)を建設し、これら二つのダムと発電所を延長約20kmのトンネルで結び、両河川より最大30m3/secの水を取水し513mの有効落差を利用して出力13万 kw、発生電力量約900GWhの発電を行うものです。 本発電所の建設に際しては、平成8年9月24日に日本政府とペルー政府間で円借款貸付契約(総額330億円)を締結し、海外経済協力基金[OECF:Overseas Economic Cooperation Fund/総裁:篠沢恭助(しのざわ きょうすけ)氏]が融資するものとされています。

    <ユンカン水力発電計画の概要>
  • ペルー北東部のアマゾン川支流
     (ウアチョン川及びパウカルタンボ川)に計画されている一般水力発電計画。
  • 出力 13万kw
  • 取水ダム  ダム高 25m、堤長 47m (コンクリート重力式)
     調整池ダム ダム高 46m、堤長 80m (    〃    )


  • <ユンカン水力工事監理事務所の概要>
  • 設置期日 平成11年6月1日
  • 所掌業務 ペルー共和国ユンカン水力発電所の建設に関する
             工事施工監理及びこれに附帯関連する業務
  • 所 長 渡部 正道
  • 所員数 6名
  • 所在地 ペルー共和国パスコ県パウカルタンボ町
  • 以上
    【参考】
    《ペルー共和国の概要》
    正式名称:ペルー共和国(The Republic of Peru)
    首  都:リマ(Lima)
    独  立:1821年
    面  積:約128万5,216平方キロメートル
    人  口:約2,611万人(1998年央推計)
    GNP :587億米ドル(1996年。世銀報告)
    一人当たりGNP:約2,420米ドル(1996年)
             (上記の人口、GNPデータより計算)

    《ペルー共和国の電力事情》
    1972年に制定された「電力法」により、エネルギー・鉱山省に電力に関する権限を持った電力総局が設置され、また国有電力公社エレクトロ・ペルー社が設立された。80年には、72年法が改正され、全国を8地区に分け、それぞれの地方電力会社が設備の建設、運転に責任を持ち、エレクトロ・ペルー社はそれらの地方電力会社の持株会社として全体を統括し、また既設設備の運転を行う体制に改められた。以後、電力会社の分割、民営化が進展している。
    1998年の発電電力量は、185億5,270万kWhであり、その内訳は、水力137億8,770万kWh(74%)火力47億6,510万kWh(26%)であり、水力発電に大きく依存している。また、電気事業者の発電電力量は167億9,140万kWh(91%)、自家発の発電電力量は17億6,140万kWh(9%)となっている。

    尚、ペルー国中央発電公社(EGECEN社)はユンカン水力開発を目的として設立された政府系の会社である。
    Page Top
    CLOSE