株主還元に対する当社の考え方について

平成19年3月19日

電源開発株式会社



 平成19年3月13日付当社プレスリリース「本日の一部報道について」にて公表しましたとおり、当社は、ザ チルドレンズ インベストメント マスター ファンド(以下「TCI」といいます。)より、平成19年6月開催予定の当社定時株主総会における株主提案権の行使に関する平成19年3月9日付の書面を受領いたしました。本提案につきましては、定時株主総会の基準日である平成19年3月31日におけるTCIの会社法に基づく株主提案権の行使の資格を確認したうえで、本提案の内容等を慎重に検討し、取締役会としての考え方を株主の皆様にお知らせする予定でありますが、本日、株主還元に対する現段階における当社の考え方をお知らせいたします。

 当社の事業については、発電所等の建設を含む長期間に亘る事業運営能力を源泉に、発電所等のインフラ設備に投資し長期間の操業を通じて投資回収を図る点が、最大の特徴となっております。従いまして、現在の利益は、過去数十年間に亘って当社が形成してきた発電資産等が創出したものであり、今後新たに開発する発電資産等は将来に亘っての収益源となるものであります。建設中の磯子火力新2号機および着工を迎える大間原子力発電所計画は、当社の発電設備規模を大きく増強し、電力の安定供給に貢献するものです。また、既設の発電所においては、さらなる成長に向けて設備信頼性と経済性、そして環境性能の一層の向上を目指します。加えて、地球温暖化問題への対応として技術革新に取組み、それを競争力の源泉に将来の事業拡大につなげます。海外では、基盤を築きつつあるアジア市場と軌道に乗り始めた米国市場を中心に収益拡大を図ります。

 すでに当社は、こういった具体的な経営戦略の一部を実行に移しつつあり、平成19年3月期第3四半期までの営業キャッシュ・フローの累計は約1,097億円となっている一方、投資キャッシュ・フローの累計は約874億円と前年同四半期に比べて約511億円の増加となっており、フリーキャッシュ・フローが減少してきております。また、来年度以降も多額の設備投資を計画している中で、将来に必要となる成長の原資を削ってまで増配をすることは、株主の皆様共同の利益にはつながらないと考えます。

 また、大規模な設備投資を行うには多額の資金が必要であり、競争力ある条件での資金調達を可能とするためには高い社債格付けの維持が必要です。有利子負債依存度が高くなるような財務戦略を実行し、当社の財務指標が悪化することで高い社債格付けが維持できなくなった場合、当社の事業上のコスト競争力は低下し、中長期的な当社の業績に悪影響をおよぼす可能性があります。大規模な設備投資を行う一方で、内部留保の蓄積についても並行して行っていく必要があります。

 上記のような当社の事業展開と経営環境を踏まえ、株主の皆様への還元につきましては、従来よりお伝えしているとおり、将来の持続的な企業価値の最大化のための原資を確保した上で、中長期的に利益成長の努力の成果を反映しつつ、安定した配当を継続していくことを最も重視しております。従いまして、TCIの考え方は当社の経営方針・株主の皆様への還元方針とは異なっていると考えております。

 なお、当社は平成19年度経営計画を平成19年4月2日に公表する予定でありますので、あわせてご参照頂きますようお願い申し上げます。

以上


添付書類



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