プレスリリース

2018年

プレスリリース

ドローンによる「電力設備自動撮影技術」を特許出願
――山間部での鉄塔・電線の保守点検の負担を飛躍的に軽減

2018年9月10日
電源開発株式会社
岡山理科大学

【発表のポイント】
岡山理科大学(学長:柳澤康信)と電源開発株式会社(取締役社長:渡部肇史、以下「Jパワー」)は共同で、電力設備を自動的に撮影できるドローンを用いた「電力設備自動撮影技術」を確立し、特許を出願しました。飛行制御・回避制御及び高速な画像処理を同時に行うことによって、ドローンの高精度な飛行を実現しました。確立した「電力設備自動撮影技術」を活用することで、点検業務の安全性向上とともに点検の質向上が大きく期待でき、危険な高所作業が軽減されます。

【発表の概要】
Jパワーと岡山理科大学が共同で確立した「電力設備自動撮影技術」とは、送電設備情報▽最先端のセンサー技術及び制御技術▽カメラ技術▽画像処理技術を併せ持たせたドローンが、自動的に飛行ルートを計画し、撮影対象物である鉄塔・送電線などの設備に接近して精細な画像を取得する新たな技術です。
飛行制御・回避制御及び高速な画像処理を同時に行うことを可能にして、ドローンの高精度かつ安定的な飛行を実現しました。また、目視できない見通し外飛行(ドローンと発着地点間に通信電波が届かない状態)でも、常に機体の状態(正確な位置や高度、飛行状態等)をモニタリングできるように通信を転送する中継ドローンを活用した見通し外無線通信を用いています。
さらに、画像処理を飛行時に行い、設備上に問題が検出されたとき、その位置と欠陥状況画像を記録することができます。確立した「電力設備自動撮影技術」を活用することで、点検業務の安全性向上と供に点検の質向上が大きく期待でき、危険な高所作業が軽減されます。

送電線設備などの高所設備は大半が山間部に配置されており、ドローンで撮影する場合、ドローンを遠隔操作する操縦者が設備に接近しても目視による操作では、送電設備との離隔距離が把握しづらく、また、ドローンが電線に過度に接近することで電磁界の影響を受け進行方向を見失うため、適切な距離を保つことが課題としてあります。

この技術は今後、電力設備の撮影に限らず、衛星電波の届かない橋梁下や超高層ビルの外壁の自動撮影など幅広い用途に活用することが期待できます。

Jパワーと岡山理科大学は、電力設備自動撮影技術の送電設備撮影への有効性の検証・評価を行い、2019年度に本格的な導入を目指します。

以上

添付書類

本文(PDF:368KB)

(添付資料)電力設備自動撮影技術の概要(PDF:284KB)

Page Top
CLOSE