ABWRについて

改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)

ABWRとは

ABWR(AdvancedBoilingWaterReactor:改良型沸騰水型軽水炉)は、国内外の原子力発電所の建設や運転、保守の経験を踏まえ、国内外のBWRメーカー、国内BWR採用の電力会社、国(通産省(当時))で開発実証された技術を集大成し、昭和50年代初めより十数年の歳月をかけて開発してきたものです。

ABWRは従来型BWRに比べ、主に以下の点で改良が図られています。

  • 安全性・信頼性の向上
  • 作業者の受ける放射線量の低減
  • 放射性廃棄物の低減
  • 運転性・操作性の向上
  • 経済性の向上

また、ABWRで採用されている改良技術は、国内外の発電所で十分な実績があり、今後もABWRを採用した原子力発電所が計画されています。

国内の原子力発電所におけるABWRについて状況
東京電力(株) 柏碕刈羽原子力発電所6,7号機(運転中)
中部電力(株) 浜岡原子力発電所5号機(運転中)
北陸電力(株) 志賀原子力発電所2号機(運転中)
東北電力(株) 東通原子力発電所2号機(建設準備中)
東京電力(株) 東通原子力発電所1号機(建設中)
東通原子力発電所2号機(建設準備中)
中部電力(株) 浜岡原子力発電所6号機(建設準備中)
中国電力(株) 島根原子力発電所3号機(建設中)
上関原子力発電所1,2号機(建設準備中)
電源開発(株) 大間原子力発電所(建設中)

ABWRの特徴

インターナルポンプ(原子炉内蔵型再循環ポンプ)

原子炉冷却材再循環系に、インターナルポンプを採用しています。これにより、原子炉圧力容器下部につながる大口径配管が無くなり、万一の冷却材喪失事故時でも炉心が露出せずプラントの安全性が向上しているほか、保守時の作業者の受ける放射線量を低減できます。

インターナルポンプ(原子炉内蔵型再循環ポンプ)

改良型制御棒駆動機構

制御棒駆動機構に、従来の水圧駆動に加え、微小駆動可能な電動駆動方式を備えた改良型制御棒駆動機構を採用しています。駆動機構の多様化により安全性を向上させています。

改良型制御棒駆動機構

鉄筋コンクリート製原子炉格納容器

原子炉格納容器は、従来の鋼製に替え原子炉建屋と一体構造の鉄筋コンクリート製(鋼製ライナー内張)としています。これにより、インターナルポンプの採用と合わせ、原子炉建屋の重心が低くなり、耐震性を向上させています。

鉄筋コンクリート製原子炉格納容器

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